鞄の基礎知識ーメンテナンス編 blog
バッグはどんなに丁寧に使っていても、汚れてしまうもの。
もし汚れが目立ってきたら、どうしたらよいのでしょうか。
「バッグは洗えないので、諦めるしかないのでは」と思われるかもしれません。
実は素材によっては、水洗いできるものがあります。
ただし洗えるといっても、素材に合った洗い方をしないと生地を傷める原因に。
適切な洗い方やメンテナンス方法を知って、大切なバッグをできるだけ長く使っていきましょう。
ここでは革製品のOEMやODM製造のアーバン工芸が、バッグの正しい洗い方、メンテナンス方法ついてお伝えします。
バッグの洗い方ー素材別でご紹介します
まず、洗濯表示が付いているかを確認しましょう。
付いていれば、洗い方の参考になります。
なお、使用する洗剤は「おしゃれ着用洗剤」がおすすめです。
また、バッグが入る大きめの洗濯ネットも用意、金具などが取り外せるようであれば、外しておきましょう。
◆ナイロン
耐水性に優れ、洗いやすいので「つけ置き洗い」で汚れを浮かします。
①水と少量の洗剤を入れた洗面器にファスナーを開けたままの鞄を入れ、30分つけ置きをします。
②次に、軽くもみ洗いして汚れを落としてから、ファスナーを開けたまま、逆さにして干します。
◆綿
しっかりとした素材の綿ですが、シワになりやすいため、手早く洗うのがポイント。
①水と少量の洗剤を入れた洗面器に鞄を入れ、「押し洗い」します。
持ち手部分は、歯ブラシを使うと便利です。
②シワをしっかりと伸ばしてから、逆さにして干します。
◆ウール
繊細な素材なので、「軽めの手洗い」をします。
①水と少量の洗剤を入れた洗面器の中で、10分~15分つけ置きをした後に、ゆっくりと動かしながら洗います。
②日陰で、平らな場所に鞄を置いておきます。
◆革・合皮
水洗いに適していないため、汚れが気になる場合は布で拭き取ります。革の場合は、専用のクリーナーを利用しましょう。
重要なのは、洗った後にしっかりと干すことです。湿った状態の鞄は、カビの生える原因になります。
実際、タンスや押し入れに入れたままにしたバッグにカビが生えていた経験がある方は多いでしょう。
バッグにカビが生えてしまった時の対処法
もし、カビが生えてしまった場合は、まず布で拭いてから、風通しの良い場所で、鞄が日焼けしない程度に天日干しをしましょう。
カビは紫外線に弱いため、多少のカビなら除去できる可能性があります。
取れない場合は、重曹や消毒用エタノールで拭き取ってみましょう。
ただし、色落ちの危険性があるため、事前に色落ちしないかのチェックが必要です。
特に重曹は白く残りやすいため、注意します。
バッグの臭いが気になる時は
カビについてお伝えしましたが、カビや雑菌による臭いが気になる場合もあります。
その場合は、市販の「バッグ用消臭剤」を利用しましょう。
除湿機能も付いた消臭剤なら、カビを防ぐ効果も期待できます。
飲食店に行った後の鞄の臭いが気になるという方は「緑茶」を試してみてもよいかもしれません。
緑茶に含まれるカテキンには臭いを分解する作用があるといわれており、使用済みのティーパックを乾燥させて鞄に入れておけば良いので、とても簡単です。
型崩れを防ぐ保管方法
バッグを長く使っていると、汚れや臭いだけでなく、型崩れも気になります。
鞄の型崩れを防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。
型崩れは、毎日の鞄の使い方や保管方法に影響されます。鞄の耐久性を超える荷物を詰め込んだり、水筒やウエットティッシュなどの湿気が出やすい物を入れっぱなしにしたりすると、鞄の型崩れの原因に。
鞄を複数に分ける、帰宅後は鞄から荷物を全て取り出して乾燥させるなどを心がけましょう。
保管には、市販のバッグ専用ハンガーやラックを使い、中に詰め物をして吊るすのがおすすめです。
持ち手が伸びてしまいそうな鞄の場合は、平らな場所に立てて保管するだけでも型崩れ防止になります。
毎日、一緒に行動するバッグ。バッグに合った最適な洗い方や保管方法で、長く愛用していきたいものです。
監修者情報
内海 公翔(うつみ こうしょう) アーバン工芸株式会社 代表取締役
1953年創業のアーバン工芸株式会社。
香川県東かがわ市で革手袋製造企業として事業をスタートし、現在はレディース向けレザーバッグのOEMを中心に日々製造を行っております。
材料仕入れから製造、検品出荷までを一貫して行える生産体制、設備を保有しており、若手からベテラン職人までバランス良く在籍している会社です。
お客様のご要望を叶えるため、そしてこの場所でものづくりを続けていくため、これからも新しいアイデアで挑戦し続ける会社でありたいと思います。