アーバン工芸のブログ

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オリジナルバッグを企画する際、ブランドの「顔」を左右するのが素材選定です。
特に本革(牛革)を採用する場合、その種類や加工方法によって、製品の仕上がり、耐久性、そして原価が大きく変動します。

「高級感は出したいが、コストも抑えたい」
「ターゲット層に好まれる質感はどれか」

こうした悩みを解決するために、1953年の創業以来、数多くのレディースレザーバッグを手がけてきたアーバン工芸が、バッグOEMにおける牛革選びのポイントをプロの視点で解説します。

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1. ブランド価値を最大化する「本革」の採用メリット

素材に本革を選ぶことは、単なる高級志向ではなく、ブランドの長期的な信頼を築くための投資と言えます。

本革のメリット

経年変化(エイジング)という付加価値

合成皮革(PU・PVC)が「新品の時が最も美しく、その後は劣化していく」素材であるのに対し、牛革は「使い込むほどに味わいが増す」素材です。
この特性は、顧客に対して「長く愛用できる」というストーリーを提供し、ブランドへの愛着(ロイヤリティ)を高める強力な武器になります。

高い耐久性とリペアの可能性

牛革は繊維が緻密で、適切なお手入れをすれば10年単位での使用に耐えられます。また、万が一の際も修理(リペア)が可能なケースが多く、サステナビリティを重視する現代の消費者ニーズにも合致しています。

2. 形状やターゲットに合わせた革の種類と選び方

OEMの現場では、作りたいバッグの形状やブランドのコンセプトに合わせて、革の質感(硬さ)や表面の仕上げを使い分けます。それぞれの特性を知ることで、理想のバッグに一歩近づけます。

【質感の選択】ソフトレザーか、ハードレザーか

・ソフトレザー(レディース・袋物バッグに最適)
アーバン工芸が最も得意としているのが、このソフトレザーです。革本来の強さを保ちながら、手に吸い付くような柔らかさに仕上げています。女性が手にした時の軽やかさや、体に馴染む「袋物」のデザインを実現するには欠かせない素材です。本革=重い、硬いというイメージを覆す製品作りが可能です。

・ハードレザー(ビジネス・自立型バッグに最適)
ハードレザーは繊維が詰まっており、厚みと硬さがある素材です。ブリーフケースやダレスバッグなど、カチッとしたフォルムを維持したい場合に適しています。重厚感や高級感を演出できますが、製品自体が重くなりやすいため、レディースバッグでは持ち手などの「部分使い」で強度を出すためにも活用されます。

【表面仕上げの選択】シュリンクレザーか、スムースレザーか

・シュリンクレザー(シボ感のある仕上げ)
シュリンクレザーは革を収縮させ、表面に独特の凹凸(シボ)を出したものです。
 メリット:傷が目立ちにくく、日常使いのバッグに最適です。また、柔軟性が増すため、柔らかなフォルムを出しやすくなります。
 デメリット:型押し(エンボス)に比べると、部位によってシボの出方に個体差が出やすいという特徴があります。

・スムースレザー(平滑で光沢のある仕上げ)
スムースレザーは表面に凹凸がなく、滑らかに整えられたものです。
 メリット:凛とした美しさがあり、フォーマルなシーンやミニマルなデザインに映えます。革本来のキメの細かさを楽しむことができます。
 デメリット:表面が繊細なため、ひっかき傷などが目立ちやすい側面があります。製造工程でも、より細心の注意を払った取り扱いが求められます。

3. 製造原価を左右する歩留まり(ぶどまり)とは

OEM担当者が知っておくべき重要な概念に「歩留まり」があります。これは、仕入れた革のうち、実際に製品のパーツとして使える面積の割合のことです。

・大判のパーツが多いデザイン
トートバッグなどの大きなパーツは、革にある天然の傷やシワを避けて裁断するため、ロスが多くなり、結果として製品単価が上がります。

・小判のパーツを組み合わせるデザイン
小さなパーツを組み合わせることで、革を無駄なく使い切ることができ、コストパフォーマンスを高めることが可能です。

アーバン工芸では、デザインの段階で「どうすれば素材を無駄なく使い、品質を維持しながらコストを抑えられるか」といった、職人ならではの知恵を共有しています。

4. 素材調達におけるアーバン工芸の強み

私たちは単に縫製するだけでなく、材料の仕入れ段階からブランド様を強力にバックアップします。

素材調達の強み

全国の主要材料屋との広範なネットワーク

長年お付き合いのあるタンナー(製革業者)や革問屋はもちろん、全国各地の主要な材料屋との強固なネットワークを築いています。
革だけでなく、裏地や金具、芯材に至るまで、バッグ作りに必要な材料背景はほぼすべて網羅していると言っても過言ではありません。
「こんな質感の素材を探している」という抽象的なご要望への提案から、特定の生地や革を指定しての製作まで、ほぼすべてのケースに柔軟に対応可能です。

コストメリットのあるオリジナルレザーのご提案

この広範なネットワークを活かし、一般の市場には出回っていないコストメリットのあるオリジナルレザーをご提案することも可能です。
バッグ制作において、1デシ(10cm×10cm)あたりの単価が数十円変わるだけで、最終的な製品の見積もりには数千円の差が出てきます。

「予算は守りたいが、品質の妥協もしたくない」 そんな難しいバランスが求められる素材探しこそ、私たちの経験と繋がりが最も活きる場面です。

5. 理想の質感をカタチにするために

ここまで牛革の特性についてお伝えしてきましたが、革は天然物である以上、言葉や写真だけでは伝えきれない触感や重みがあります。

私たちは、お客様が思い描いている「こんなバッグにしたい」という具体的な構想を、実際の素材へと落とし込む工程を大切にしています。もちろん、最初から革の銘柄まで指定いただく必要はありませんが、ターゲットとする顧客層や、製品に持たせたい機能性(軽さ、自立性、耐久性など)については、ぜひ詳しくお聞かせください。

「柔らかさを重視しつつ、毎日の使用に耐える強度がほしい」
「コストを意識しながらも、高級感のあるシボ感を表現したい」

こうした明確な目的があれば、私たちは70年の歴史の中で蓄積してきた膨大な素材データの中から、御社のブランドに最もふさわしい選択肢を絞り込んでご提案させていただきます。

より具体的な費用感等についてはこちらの記事でご紹介しています。
関連記事:【2026年版】バッグOEMの費用相場は?

工場とのスムーズな連携をとるコツやバッグOEMメーカの選び方についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご参考にしてください。
関連記事:バッグOEM・ODMメーカーの選び方とは?

みなさまからのお問い合わせをお待ちしております。

監修者情報

監修者情報

内海 公翔(うつみ こうしょう) アーバン工芸株式会社 代表取締役

1953年創業のアーバン工芸株式会社。
香川県東かがわ市で革手袋製造企業として事業をスタートし、現在はレディース向けレザーバッグのOEMを中心に日々製造を行っております。
材料仕入れから製造、検品出荷までを一貫して行える生産体制、設備を保有しており、若手からベテラン職人までバランス良く在籍している会社です。
お客様のご要望を叶えるため、そしてこの場所でものづくりを続けていくため、これからも新しいアイデアで挑戦し続ける会社でありたいと思います。