アーバン工芸のブログ

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「国産でバッグを作りたいが、いくらかかるか見当がつかない」
「見積もりを取る前に、大まかな予算感を把握しておきたい」
など、バッグのOEM(受託製造)を検討する際、最も気になるのが「費用・料金」のことではないでしょうか。

特に、初めて国内工場に依頼する場合、「ロット(生産数)」や「素材」、「デザインの複雑さ」によって価格が大きく変動するため、不安を感じる方は少なくありません。
私たちアーバン工芸は、創業70年以上の歴史を持つ国内工場として、透明性のあるお取引を大切にしています。

今回は、バッグOEMの実際の相場観を掴んでいただくために、具体的な金額目安や、見積もりの仕組み、そしてコストを抑えつつ品質を高めるためのポイントを包み隠さず公開します。

1. バッグOEMの費用が決まる「2つのパターン」

まず、費用の総額を知る前に、OEMには大きく分けて2つの発注パターンがあることを理解しましょう。どちらを選ぶかで、見積もりの内訳がガラリと変わります。

見積りイメージ

【推奨】材料手配から製品化まで一括依頼(製品卸)

工場側が革や生地などの材料から全てを仕入れ、裁断・縫製を行い、製品として完成させて納品するパターンです。
アーバン工芸では、基本的にこのスタイルでのお取引をメインとしています。

・メリット:発注者が材料を探し回る手間がない。工場が品質の安定したルートで材料を確保できる。
・注意点:材料費が原価に含まれるため、単価の見かけは高くなりますが、トータルコストや管理コストで見ると合理的です。

メイン材料は支給(持ち込み)で加工のみ依頼

発注者が自ら革や生地を購入して工場に送り、裁断・縫製などの「加工」を依頼するパターンです。

・メリット: こだわりの希少な素材を使いたい場合に有効。
・注意点:材料の過不足の管理や、不良が出た際の責任の所在が複雑になる場合があります。
※当社では、支給いただいた生地・革の「裁断」から対応可能です。

2. 【サイズ・難易度別】量産単価の相場シミュレーション

では、実際にバッグを制作した場合、1個あたりの単価(卸値)はどれくらいになるのでしょうか?
アーバン工芸での実績ベースの目安の料金相場をご紹介します。
※あくまで目安です。使用する革や生地の種類や、金具の品質等によって価格は大きく変動します。

商品量産イメージ

材料仕入れから弊社で行う場合(製品卸)

材料費+加工費+検品梱包費+送料などを含んだトータル単価です。

バッグの種類・難易度 平均単価目安 具体的なイメージ
簡単な小物・シンプル形状 2,000円~5,000円 構造が単純なポーチ、シンプルな革小物、
小さくパーツの少ないバッグなど
一般的なバッグ 5,000円~8,000円 裏地ありのトートバッグ、ショルダーバッグ、
ハンドバッグなど
難易度が高い・大きいもの 8,000円~10,000円 構造上手間が多くかかったり、パーツが多いもの、
大きめのバッグなど

メインの材料支給で、加工のみ行う場合

こちらは一部の材料代+「工賃(裁断・縫製等の技術料)」の目安となります。メイン素材の材料費はお客様のご負担となります。

バッグの種類・難易度 平均工賃目安
簡単な小物・シンプル形状 1,000円台~3,000円
一般的なバッグ 3,000円~5,000円
難易度が高い・大きいもの 5,000円~8,000円

【ここがポイント!】
価格を最も左右するのは「メインの材料(革や生地)のグレード」です。 例えば同じ形のトートバッグでも、1デシ(10cm×10cm)あたり50円程度の革を使うのと、100円程度の革を使うのとでは、最終的な弊社からのお見積もりに数千円程度の差が出ます。

「予算は抑えたいが、安っぽい仕上がりにしたくはない」 そんな時こそ、アーバン工芸にご相談ください。長年お付き合いのあるタンナー(製革業者)や革問屋さんとの繋がりを活かし、コストパフォーマンスに優れたオリジナルレザーのご提案も可能です。
ご予算に合わせて最適な素材をご提案できるのも、材料仕入れから一貫して行う弊社の強みです。

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3. 量産単価以外にかかる初期費用(イニシャルコスト)

量産単価とは別に、初回のみ発生する費用があります。これは「良い製品を安定して作るための投資」とお考えください。

① サンプル作成費:1万円~2万円程度

量産前に必ずサンプル(試作品)を制作します。
デザイン画通りの形になっているか、使い勝手はどうか、革の質感はイメージ通りかを確認するために必須の工程です。
※修正が発生し、2回、3回と作り直す場合はその都度費用がかかります。

② 抜型代(ぬきがた):一般的なもので4万円前後

革や生地を正確な形に裁断するための「金型」の製作費です。
量産時の「寸法の正確さ」と「スピード」を確保するためには、抜型が欠かせません。
※大きさやパーツ数によって変動しますが、一般的なバッグであれば4万円前後が目安です。
※一度作れば、リピート注文(追加生産)の際は不要です。形が変わらない限り半永久的に使えます。

③ 刻印代:5,000円~

ブランドロゴを革に素押し、または箔押しするための金属版(版代)です。
オリジナルのロゴが入ることで、製品の付加価値が一気に高まります。

4. 企画から納品までのスケジュール(納期)

国内生産のメリットは、海外生産に比べて納期が読みやすく、柔軟な対応ができる点です。しかし、職人が手作業で制作するため、一定の期間は必要です。

・サンプル制作:材料入荷後から 2週間~1ヶ月程度
・量産(新作・初回):ご発注から~3ヶ月程度
・量産(追加・リピート):ご発注から 50日~60日程度

※工場の繁忙期や、材料の在庫状況によって変動します。余裕を持ったスケジュールでご相談いただけると、よりスムーズに進行します。

5. 「生産ロット」と「賢い発注」の考え方

「最低何個から作れますか?」
これもよくいただくご質問ですが、アーバン工芸では「絶対に〇個以上でないと受けない」という一律のルールは設けていません。製品単価や、今後の展開予定によって柔軟にご相談に乗っております。

工場が本当に嬉しい発注の仕方とは?

実は、工場にとって最も有難いのは、「一度だけドカンと1,000個発注して終わり」という案件ではありません。
私たちが理想とするのは、
「小ロット(例えば30個〜50個)でも良いので、定期的に継続して注文が入る」
というパートナーシップです。

【その理由】
品質の安定: 職人が定期的にその製品を作ることで手が慣れ、品質が向上・安定します。
スケジュールの確保: 定期的なお取引があれば、あらかじめ工場のラインを確保できるため、納期の無理が生じにくくなります。
ですので、「最初は小規模だが、長くブランドを育てたい」というお客様は大歓迎です。
逆に、「クラウドファンディングで一発当てて終わり」といったスポット的なご依頼は、弊社の体制とマッチしないため、お断りさせていただく場合がございます。

6. アーバン工芸が大切にしていること

アーバン工芸が大切にしていること

バッグの製作において、コストは非常に重要な要素です。世の中には海外生産や、徹底的な効率化で低価格を実現している工場もたくさんあり、それぞれに良さがあると考えています。
その中で、私たちアーバン工芸が大切にしているのは、単に形にするだけでなく「長く愛されるバッグを、無理のない形でカタチにする」お手伝いをすることです。

・70年の歩みで蓄積された知恵を共有します

私たちはこれまで、時代とともに変わる数多くのリクエストに向き合ってきました。「このデザインを再現するには、この縫い方の方が強度が上がり、結果的に工数も抑えられる」といった、これまでの経験から得た小さなしつらえの工夫を、必要に応じてお伝えするようにしています。

・得意なのは、手に馴染むレディース畑で培った「柔らかさ」です

特にソフトレザーを用いた「袋物」は、当社の職人たちが長年磨いてきた分野です。機械的にカチッと作るのとは少し違う、革の表情を活かした柔らかなニュアンスを大切にしたいブランド様には、きっとお力添えができるはずです。

・顔の見える距離感を大切にしています

国内の自社工場だからこそ、電話一本、メールやLINE一通で「ここをもう少しこうしたい」という細かなご相談も可能です。言葉のニュアンスまで共有しながら、納得のいくまで一緒に作り上げていける関係性を築ければと考えています。

「コストと品質のバランスで悩んでいる」「長く付き合えるパートナーを探している」という担当者様。
まずは、皆さまが理想とするバッグのイメージを、そのままお聞かせください。私たちが培ってきた経験が、少しでも御社のモノづくりのお役に立てれば幸いです。

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監修者情報

監修者情報

内海 公翔(うつみ こうしょう) アーバン工芸株式会社 代表取締役

1953年創業のアーバン工芸株式会社。
香川県東かがわ市で革手袋製造企業として事業をスタートし、現在はレディース向けレザーバッグのOEMを中心に日々製造を行っております。
材料仕入れから製造、検品出荷までを一貫して行える生産体制、設備を保有しており、若手からベテラン職人までバランス良く在籍している会社です。
お客様のご要望を叶えるため、そしてこの場所でものづくりを続けていくため、これからも新しいアイデアで挑戦し続ける会社でありたいと思います。