牛革の歴史 blog
普段弊社でも使用している【牛革】に関して、これまで人類が文明を築いてきた歴史の中で、特に重要な役割を果たしてきました。その歴史は、技術の進化や社会の変化と共に変遷してきましたが、今日でもその価値と魅力は色褪せることがありません。今回はそのルーツに関して、お伝えいたします。
1、古代の革製品
古代文明では、動物の皮を加工して革を作る技術が発展しました。古代エジプトでは、ミイラ作成にも革が使用されておりました。また古代ギリシャや古代ローマでは、革は衣服、靴、鎧などのさまざまな用途に使用されており、その中でもローマ時代には、革製品の製造が拡大し、大規模な革工場が存在しておりました。
2、中世の革業
中世ヨーロッパでは、革の需要がさらに増加し、革職人の※1ギルドが形成されました。革は衣服や靴だけでなく、本や家具の製本、馬具、鞍(くら)など、さまざまな道具類などにも使われました。中世の革工場では、※2なめしや染色などの技術が発展し、革の品質が向上しました。
※1中世より近世にかけて西欧諸都市において商工業者の間で結成された各種の職業別組合
※2動物の皮は、時間が経つと腐ってしまいます。 この皮の腐食を防ぐための処理のこと
3、産業革命と革の大量生産
18世紀の産業革命により、革の製造過程が大幅に変化しました。機械化により、革のなめしや染色などの工程が効率化され、大量生産が可能になりました。これにより、革製品が一般の人々にも普及していきました。
4、20世紀から現代
20世紀に入ると、革は自動車産業や航空産業で重要な素材として使われるようになりました。自動車のシートや内装、航空機のシートや内装、さらには高級ブランドのバッグや靴など、さまざまな分野で革製品が使用されました。また、環境問題や動物福祉の観点から、革の製造プロセスや素材の選択に関する課題にも取り組まれるようになりました。
現代では、技術の進歩や環境への配慮から、代替素材や持続可能な革の製造方法が開発されています。しかし、牛革はその優れた耐久性や質感から、今日でも広く愛用され続けています。
監修者情報
内海 公翔(うつみ こうしょう) アーバン工芸株式会社 代表取締役
1953年創業のアーバン工芸株式会社。
香川県東かがわ市で革手袋製造企業として事業をスタートし、現在はレディース向けレザーバッグのOEMを中心に日々製造を行っております。
材料仕入れから製造、検品出荷までを一貫して行える生産体制、設備を保有しており、若手からベテラン職人までバランス良く在籍している会社です。
お客様のご要望を叶えるため、そしてこの場所でものづくりを続けていくため、これからも新しいアイデアで挑戦し続ける会社でありたいと思います。